"13"デザイナー 松村拓さん


松村 拓

1986年に京都伏見で松村家の13代目の次男として生まれる。立命館大学卒業後、京都造形芸術大学に3年次編入し、ジュエリー製作の基礎を学ぶ。その後、Geodesique(ジィオデシック)のデザイナー小島祐二氏に師事し、2011年5月ジュエリーブランド“Rathio(ラティオ)”をJR大阪三越伊勢丹にてオープン。2013年7月Rathio解散後、2014年4月よりジュエリーブランド“13”を立ち上げる。


●ジュエリーブランド"13"

https://www.jewelrystudio13.com/about

町宿「枩邑」オーナーの松村拓さん。ジュエリー作家でありながら、大学講師も務める非常に多彩な方。


出逢いのきっかけを作ってくださったのは、おこぶ 北淸(京都府京都市伏見区南新地)の北澤雅彦さん。



北澤さんには京都新聞連載時から、夫婦共々大変お世話になっております。


京都新聞朝刊連載「アス飯」第74回 本日発売!

https://yamaserieko.cookpad-blog.jp/articles/146420


私は料理を頻繁にしていることもあって、爪が短く、アクセサリーも殆どしません。


結婚当時、夫からいただいた結婚指輪にはダイヤが入っていて、幾度と無く中の石が外れてお直しに出すうちに、常時つけることを控えるようになりました。 


「指にしっくり馴染む、ずっとつけていられる指輪が欲しいね。」


夫とこんな会話をするようになったのは、2017年4月に京都・町宿「枩邑」で開催した東田忍先生とのイベントのタイミング。町宿のオーナーである松村さんとの打ち合わせ時、会場とは異なる町屋の土蔵を改装したスタジオの方も一緒に見学させていただきました。



私はカメラが趣味で、被写体は料理か風景、女性を撮ることが殆どなのですが


「理恵子先生が功治さん以外の男の人をこんなにいっぱい撮ってるの、初めて見た!」


と、隣で見ていた東田先生が驚くほど松村さんを撮っていたよう。



それくらいに、外見も、内面も、水のように美しい男性です。


「シンプル。でも変わったデザインが欲しい。」


私たちから松村さんにお願いしたのはこれだけ。


「お二人共、別の領域でご活躍されていながらも、お互いに切っても切り離せない関係性のお仕事をされておりますので、ギメルリングが相応しいと思っております。 」


ギメルリングとは2本の指輪が一体になったもので、中世から用いられている技法だそう。


試行錯誤しながらサンプルを作成。3つのデザインを提案していただきました。



この中からIIを選択。



左からイエローゴールド、ピンクゴールド、シャンパンゴールド、プラチナ。松村さんの推奨は、バロンドールを思わせるイエローゴールドを1つ取り入れることだったので、相性の良さそうなプラチナを合わせることに。


ギメルリングの特徴を活かし、イエローゴールドのリングには夫のイニシャルのK、プラチナのリングには私のRイニシャルの刻印を。これも提案して貰ったアイディア。



完成後「難しいデザインだったので喜びも一入」と松村さん。


毎日、左手の薬指を眺めてはうっとり。


本当に幸せです。どうもありがとうございます。



「先日お届けしましたマリッジリング。今回は京都伏見の地にご縁があってマリッジリングのお作り直しをさせていただきました。


2016年まで京都サンガ、現在はアビスパ福岡在籍で、サッカー日本代表としてもご活躍された山瀬功治選手と、毎日のお料理で山瀬選手をサポートしつつ、ご自身も京都新聞での連載を書籍化した『アス飯レシピ』を出版されるなど、多方面でご活躍の山瀬理恵子さんのご依頼。理恵子さんには昨年、町宿「枩邑」でもイベントを開催していただきました。


今回お作りしたマリッジリングは、ギメルリングという中世から作られているリングのスタイルで、写真の通り、二つのリングが離れないように一つになっています。


僕自身、このギメルリングは初の試み。


スポーツと料理。一見違う世界でご活躍されているお二人が、力を合わせて一つの目標に向かう姿をなんとか表現できないものかと考えたとき、このギメルリングが思い浮かびました。


こちらのデザインは一本の状態だと〝V〝の字を描き、それら二本を合わせることで一本のリングになります。勝利の為に夫婦で力を合わせる。夫婦でありながら戦友でもあるようで、僕が本当に憧れる夫婦像です。その像をスタイリッシュにマリッジリングとして表現できたかな、と思っています。これからもお二人のご活躍が楽しみです。松村拓」